ヴェネツィアに行きたいけれど、一人で大丈夫だろうかと迷っていませんか。水の上の街、迷路のような路地、そして「物価が高い」という噂。不安の材料には事欠きません。
この記事では、私が実際に一人でヴェネツィアを2泊まわって何に困ったかを、正直に書きます。
結論から言うと、ヴェネツィアは覚悟して行ったほうがいい街です。美しいのは間違いありません。ただ、道は迷うし、荷物は重いし、トイレは少ないし、物価は高い。
私は英検5級で、この旅が人生初の海外でした。そんな私が実際に迷子になり、トイレを探して大学の先生に怪訝な顔をされ、それでもカフェのテラス席で優雅な時間を過ごしてきました。
読み終わる頃には、行く前に準備しておくべきことが分かるはずです。
海に面した石造りの街並み。これがヴェネツィアです
困ったこと1:本当に迷う道
ヴェネツィアでは、Googleマップを見ても迷います。
理由は、路地があまりに入り組んでいるからです。細い道が何度も分岐して、行き止まりもあり、地図上の自分の位置と目の前の景色が一致しません。
私はめちゃくちゃ迷いました。曲がったつもりが違う道で、戻ろうとしてさらに分からなくなる。これを何度か繰り返しました。
そして、もうひとつ誤算がありました。ヴェネツィアは思っているよりだいぶ広いのです。歩いて回りきれると思っていると、足が終わります。
迷わないための考え方
適当にぶらぶらするより、目当ての場所を先に決めておくほうがいいです。目的地があれば、迷っても「そこに向かう」という軸が残ります。
そして船をタクシー感覚で使うことも、最初から視野に入れておいてください。歩き切ろうとしないほうが、結果的にたくさん見られます。
夜のサン・マルコ広場。昼間とは別の顔になります
困ったこと2:重い荷物で街全体が敵
これが一番つらかったです。
ヴェネツィアには車が走っていません。 というより、走ることができません。道が狭く、橋には階段があるからです。
つまり、荷物は全部自分で運ぶことになります。 石畳と階段の連続を、黒いバッグとボストンバッグを持って移動する。これは想像以上に体力を削られました。
宿に着くまでの道のりが、そのまま試練になります。
困ったこと3:トイレが少なく有料
ヴェネツィアはトイレが少ないです。 そして、やっと見つけても缶ジュース1本くらいのお金を払って、公民館や駅のトイレのような、お世辞にもきれいとは言えない場所に入ることになります。
ここで、私は忘れられない失敗をしました。
歩いていたら大学らしき建物の前を通ったので、そこにいた女性の先生らしき人に、事前に調べておいたイタリア語で聞いてみたのです。
Dov'è il bagno?(トイレはどこですか?)
(怪訝な顔で)BAR!
大きめの声で「バール!」と言われました。
私は反射的に「ソーリー、ソーリー」と謝りながら、その場を離れてトイレを探しに戻りました。
いま思い返しても、なぜ謝る必要があったのかは分かりません。 ただ、大学は公共のトイレではないので、聞く相手を間違えたのだと思います。イタリアではバール(カフェ)のトイレを借りるのが一般的なのでしょう。
教訓
トイレはバールで借りる。大学の先生に聞かない。
困ったこと4:とにかく高い物価
ヴェネツィアの物価は、ローマやフィレンツェと比べてもダントツで高いです。
理由は単純で、観光地として完成されているからだと思います。同じイタリアなのに、明らかに金額が違いました。
ヴェネツィアに行く人は、覚悟して行ってください。財布の減り方が他の都市と違います。
ひとつ抜け道があるとすれば、橋を渡る手前のエリア(本島の外)は安いということです。ただし治安は少し悪いと聞きました。ここは自己責任で判断してください。
見た目より悪くない本島の治安
夜のヴェネツィアは薄暗く、路地も入り組んでいて、雰囲気としては決していいとは言えません。
ただ、治安そのものは他の都市よりだいぶ良かったというのが実感です。観光客が多いことも関係していると思います。
ひとつだけ注意点があります。街を歩いていると「荷物を持ってあげるよ」と声をかけられます。ここでお願いすると、あとでお金を取られます。断ってください。
夜の運河。薄暗いですが、治安は思ったより良いです
困ったこと5:乗れなかったゴンドラ
正直に書きます。私はゴンドラに乗っていません。
理由は、乗り物に不安があったからです。飛行機や電車のように「すぐ降りられない乗り物」が当時は苦手で、水の上で数十分というのが怖かったのです。
料金も理由のひとつでした。通常のゴンドラは30分で1万5000円ほどします。乗らないまま帰ってきたことは、いまでも心残りです。
数百円で乗れるゴンドラがあります
実は、観光用の高いゴンドラとは別に、運河の端から向かいの端へ渡るためだけの、数分のゴンドラがあります。
こちらは数百円です。「ゴンドラには乗ってみたいけれど1万5000円は出せない」という人には、こちらをおすすめします。
それでも良かったこと:世界最古のカフェ
困った話ばかり書きましたが、ここは本当に行ってよかったです。
サン・マルコ広場に、1720年創業の「Caffè Florian(カフェ・フローリアン)」があります。世界最古のカフェと言われている店です。
四角いチョコレートケーキ。値段は覚えていませんが、高かったです
正直に書くと、値段は覚えていません。ただ、高かったことは覚えています。
現在の価格(調べた情報です)
調べたところ、コーヒー類が9ユーロ(約1,200円)から、ケーキが1ピース14ユーロ(約2,000円)からという価格帯でした。アップルタルトが17ユーロ、看板メニューのカフェが18ユーロという例もあります。
※これは私が払った金額ではなく、あとから調べた現在の目安です。訪問前に公式サイトでご確認ください。
一人でも気まずくなかった理由
このカフェは、店内とテラスを選べます。
店内は装飾が本当に美しいです。ただ私はテラス席を選びました。結果として、一人でもまったく気まずくありませんでした。
理由は3つあります。
- 目の前がサン・マルコ広場なので、景色を見ているだけで時間が過ぎる
- 白いタキシードを着た楽団の生演奏が聴ける
- 店内のような「静かにしていなければ」という緊張感がない
一人で店内のテーブルに座ると手持ち無沙汰になりますが、テラスなら広場を眺めていられます。優雅、という言葉がそのまま当てはまる時間でした。
一人旅でフローリアンに行くなら、私はテラス席を推します。
ただしテラス席は音楽代がかかるようです
あとから調べたところ、テラス席で生演奏があるときは、その分の料金が別に加算されるという情報がありました。いわゆる音楽代です。
私は当時それを知らずに座っていたので、実際にいくら上乗せされていたのかは分かりません。テラスを選ぶなら、料金が変わる可能性を頭に入れておいてください。
それでも、あの景色と生演奏には払う価値があったと思っています。
食事:ボンゴレと牡蠣
ヴェネツィアは海の街なので、魚介が名物です。
ボンゴレビアンコ。貝がたっぷり乗っています
同じ店で頼んだ生牡蠣。氷の上に9個、レモン添え
同じレストランで、ボンゴレビアンコと生牡蠣を頼みました。水の街で食べる魚介は、それだけで気分が違います。
なお、スカンピ(テナガエビ)がヴェネツィアの名物らしいのですが、これは食べ逃しました。次に行くときの宿題です。
行き方:フィレンツェからの列車
私はフィレンツェから列車でヴェネツィアに入りました。
この橋を渡り切ると、ヴェネツィアに着きます
ヴェネツィアは島なので、鉄道は長い橋を渡って本島に入ります。車窓の左右が水になる区間があって、「島に来たんだ」と実感できる瞬間です。
乗った列車の記録
あとから予約確認メールを見返したところ、イタロ(Italo)の8904号でした。イタリアの高速列車にはフレッチャロッサとイタロの2社があり、私はこの旅で両方に乗っています。
フィレンツェSMN 09:39 → メストレ 11:42。所要2時間3分、普通席(Smart)の4号車52番でした。
この切符を出発の8分前に買っていたことも、記録を見て初めて知りました。その話は列車の記事に書いています。
※料金は必ず公式サイトでご確認ください。
正直な感想:感動しきれなかった理由
最後に、正直なことを書きます。
私はヴェネツィアで、思ったほど感動しませんでした。
写真で見ていた通りの美しい街でした。それは間違いありません。でも、心が動くほどではなかったのです。
理由は自分でも分かっています。旅の最終盤で疲れていたのと、ホームシックになりかけていたからだと思います。
7泊の旅で、ローマ、フィレンツェと回ってきた最後がヴェネツィアでした。体力も気力も残っていませんでした。
これから行く人へ
もし日程を組めるなら、ヴェネツィアを旅の後半に置きすぎないほうがいいかもしれません。人が多く、道が入り組み、荷物を持って歩く街です。体力がある日に当てたほうが、素直に楽しめると思います。
よくある質問
ヴェネツィアは地図があっても迷いますか
迷います。 私はGoogleマップを見ながら、めちゃくちゃ迷いました。
目当ての場所を先に決めておき、船をタクシー感覚で使う前提で動くのがおすすめです。
ヴェネツィアのトイレはどこで借りますか
トイレは少なく、あっても缶ジュース1本くらいのお金がかかりました。
大学の先生らしき人に聞いたら「バール!」と言われたので、バール(カフェ)で借りるのが一般的なのだと思います。
ヴェネツィアの物価は高いですか
高いです。 ローマやフィレンツェと比べても、ダントツでした。
財布の減り方が他の都市と違うので、覚悟して行ってください。
ヴェネツィアの治安は悪いですか
夜は薄暗いのですが、治安そのものは他の都市よりだいぶ良かったというのが私の実感です。
ただ「荷物を持ってあげるよ」という声かけは、あとでお金を取られるので断ってください。
ゴンドラの料金はいくらですか
通常のゴンドラは30分で1万5000円ほどです。私は乗っていません。
運河の端から向かいへ渡るだけの数分のゴンドラなら、数百円です。
カフェ・フローリアンは一人でも入れますか
入れます。 私はテラス席を選び、一人でもまったく気まずくありませんでした。
ただ調べた情報では、生演奏があるときは音楽代が加算されるそうです。私がいくら払ったかは覚えていません。
まとめ:ヴェネツィアは「準備して行く街」
今回は、一人でヴェネツィアを2泊まわって困ったことを書きました。
この記事で分かったこと
- 道は本当に迷う。 目当ての場所を先に決め、船も使う前提で動く
- 車が走れないので荷物は全部自分で運ぶ。 身軽さが快適さに直結する
- トイレは少なく有料。 バールで借りるのが基本。大学で聞かない
- 物価はイタリアの中でもダントツに高い。 覚悟していく
- 夜は薄暗いが治安は悪くない。ただし「荷物を持つ」の声かけは断る
- ゴンドラは30分で1万5000円。数百円で渡れる短いゴンドラもある
- カフェ・フローリアンはテラス席がおすすめ。 一人でも気まずくない
困ることは多いのですが、それらは全部、事前に知っていれば減らせるものです。荷物を軽くする、目的地を決めておく、バールの場所を覚えておく。それだけで体験はまったく変わります。
次に行くならやりたいこと
私自身、心残りがいくつもあります。
- デパートを見ていない
- 船に乗っていない
- ムラーノ島とブッラーノ島に行っていない
- 名物のスカンピ(テナガエビ)を食べていない
つまり、私はヴェネツィアをまったく味わい尽くせていません。疲れ切った状態で最終盤に行ったせいです。
これから行く人は、ぜひ体力のある状態で、時間をとって行ってください。私が見られなかったものを、代わりに見てきてほしいと思います。
私も次に行くときは、ムラーノ島とブッラーノ島をまわるプランを先に探しておいて、今度こそ足を運ぶつもりです。
行けなかった島めぐりは、次は先に予約して
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そして実はこの旅、ヴェネツィアのあとに弾丸でミラノへ寄っています。 滞在4時間でローマに戻るという無茶な日程でした。その話は、また別の記事で書きます。



